「参院のドン」として自民党政権下で強い影響力を持っていた青木幹雄・前参院議員会長(75)(参院島根選挙区)が、体調不良を理由に夏の参院選出馬を断念し、政界を引退する見通しとなった。
要職を離れているため、政界への影響は限定的とみられるが、党内では「世代交代が進む契機になる」という見方も出ている。
「昨日、青木先生から『健康が不良で、立候補を断念せざるをえない』と申し出があった。残念だ」
自民党の細田博之・前幹事長(衆院島根1区)は15日、青木氏が欠席したまま松江市で行われた同氏の事務所開きで、沈痛な面持ちでこうあいさつした。会場では、後継の有力候補と目されている、長男で秘書の一彦氏(49)が、集まった約350人の支持者らに「医者から脳梗塞(こうそく)という診断をいただいた」と報告した。
自民党の谷垣総裁は15日、岡山市で記者団に、「参院で大きなリーダーシップを発揮してきた。本人も無念だろう」と語った。
青木氏は、2007年参院選での自民党惨敗を受け、党参院議員会長を引責辞任して以降、表舞台から遠ざかっていた。政局の節目節目で同僚議員から助言を求められる「相談役」として一定の存在感は保っていたが、特に民主党政権になってからは自らの参院選対策に力を入れ、党の方針や政策の決定に関与することはほとんどなかった。
自民党時代、青木氏の薫陶を受けた新党改革の舛添代表は、「一つの時代が終わったということだ。青木さんが引退しても、自民党や政界への影響はないと思う」と述べた。
参院自民党を率いた青木氏は、豊富な人脈を誇った。民主党の輿石東参院議員会長とも太いパイプを持っていたが、民主党政権でこのパイプを積極的に生かすような場面はなかった。
政界全体への影響は小さいが、党や派閥の「重し」となっていた青木氏が引退すれば、中堅・若手議員の発言力が強まり、結果的に自民党の世代交代が進む可能性もある。
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